不動産の価値がつけられる根拠。この先も絶対的なものか?

2018年も2週間が過ぎ松の内もあけようとしています。
今回は昨年年末に見かけた「テクノロジーがもたらす不動産業界の変革」(CBREテクノロジー調査(2017))を読んで考えたことを書こうと思います。

このレポートの内容は大きくかいつまんで言うと「技術革新が進みその活用の仕方が進むと不動産の選び方が変わる」ということです。
主にオフィスに関する話題が中心ですが、ここで示されている考え方は当然住宅地にも同じような影響を与えると思います。
レポートでは「選び方」が変わるという指摘までですが、選び方が変わるということはその結果として「不動産の価値」が変わるということにつながります。

従来の「選び方」とこれからの「選び方」

注目するレポートのまとめとして、これからの不動産の選び方では『今後は立地が「すべて」とは限らない』という指摘があります。
職種によって、例えば営業部門やバックオフィス部門は縮小する可能性がある一方で、IT部門やオフショアリング(自社の業務の一部分や全部を海外に委託・移管すること)やアウトソーシング部門は増加する可能性があると示されています。
また、レポートにはオフィスの内側でも個人個人にとって快適な空間を提供するためフリーアドレスのようにニーズに合わせてカスタマイズできるオフィス環境や取り組む仕事の内容によってオフィス内の場所を選択できるような固定されないワークプレイスを採用する企業もすでに増えつつあるとも書かれています。

オフィスにずっといない営業職中心の組織から基本的にパーソナルな環境が求められるITエンジニア中心の組織へと職種の構成や人数が変わればオフィスを構える場所に求める特徴やその必要性が違ってくるということになるのは容易に理解できますし、建物に必要な機能や空間も変わってくるということは、新しい機能や空間を創るのに適した立地が変わると言うことも頷けます。

市場で求められることが変化することを、提供する側がどれほど理解できるかによって、保有する不動産の競争力を保つあるいは向上させられるかが大きく分かれます。

テクノロジーの変化は暮らし方を変え、住宅不動産にも影響を与える

ここまで紹介したレポートでは技術の進化とそれに伴う働き方の変化がオフィスニーズを変えるという視点でしたが、それは住宅地にとっても変わらないでしょう。
例えば通信環境の進化(4G・LTEから5Gの実現)やAIの進化を取り込んだIOTの普及など家庭内での暮らし方を変える技術進化、あるいは自動運転など移動手段の進化によって、職住地域の距離感や住宅に求める機能や設備のあり方も変わるでしょう。

通信環境の進化や移動手段の変化は職場を中心とした住宅の距離の制約を取り払い、居住地域の選択肢が多様化するようになれば、例えば利便性の高い場所に居住したほうが便利で需要が高いという価値観が崩れます。
すると、利便性を重視した価値観をもとにつけられる価格(利便性が高ければ高く、そうでない(例えば駅から遠いとか)場合は安い)体系は、単純な構図がなくなる可能性があります。
あるいは現在の郊外住宅地では住宅にも商業施設にも必須の駐車場も、常に自動運転の「乗り物」が常に街を走っている環境が手に入れば不要になるかもしれません。

以上のように少し想像しただけでも暮らし方や住まい方が大きく変わり、その暮らし方にあった求められる場所、空間や設備も変わることが考えられます。

保有する不動産、土地の価値はこのような技術の進化がもたらす社会の変化や使われ方の変化によって変わります。
社会の変化と不動産需要の変化の関係はこれまでも当然起こっていたことです。
例えば、高度経済成長時代には工場を建てるために都合の良い場所の土地が全体の価格を引き上げ、働く人が工場立地周辺に集中した後にはその人々のための住宅用地が全体の価格を引き上げ、暮らしが豊かになると人々を潤す商業用地が全体を引き上げる、といったような価値の変化が順々に起こっていました。
ただ、技術革新によって起こる変化がもたらす社会の変化は従来とは異なる点があると思います。
それはスピードです。
変化がこれまでよりも短い期間で起こる可能性があるということです。

不動産の利活用の可能性を高めるためにも需要の変化に敏感になる

住宅不動産、土地の価値は社会的な需要の変化によって変わります。
その社会的な需要の変化は技術革新によってもたらされます。
AI、IOTといった言葉は一見不動産の価値とは無関係な言葉に聞こえるかもしれませんが、家族の大切な資産である不動産資産の所有や利用の判断をどうするかを考える際には、社会に変化をもたらす原動力とある様々な技術革新を理解しておくことも大事だということです。
そんな観点で目に飛び込んでくるニュースを見てみることも大事だと思います。

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