相続は誰に相談するべきか

不動産コンサルティング

前回、「今の日本には相続に備えるための社会的な基盤がまだ整備されていない」と書きました。
これから日本は大相続時代を迎えます。相続件数が増えるに応じて、相続トラブルも増えることが予見されます。相続を社会問題化させないためには、事前に相続に備えることが重要になります。
しかし、問題なく相続を迎えるためには法律や税制や不動産実務などの専門的な知識が必要になります。その知識は到底一般の人が勉強して何とかなるものではありません。つまり、専門家=プロの手助けが必要になってくるわけです。

しかしながら今の日本には、すべての人が気楽に相続について相談できるような場所がないのです。これが、私が「日本には相続に備えるための社会的基盤がない」という理由です。

以下、再び「相続に関する意識調査」の結果からです。

Q 相続相談は誰にしていますか(しようとしていますか)?

 ・誰に相談したら良いか分からない 48.9%
 ・血縁者 15.0%
 ・弁護士 11.4%
 ・税理士  7.7%
 ・司法書士  7.5%
 ・金融機関  5.5%
 ・不動産会社  3.8%

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相続相談を誰にしているか(しようと思うか)聞いたところ、「誰に相談したら良いか分からない」が約半数で最も多く、その次が「血縁者」です。この2つの回答をあわせると約64%は専門家に相談しないことになります。
これが今の相続相談における実態です。相続は事前の準備が大切であるにも関わらず、誰に相談するべきか、という相談先に対する社会的な共通認識も、その相談の
受け皿となる社会的基盤もないのです。

相続対策は簡単ではありません。法律や税制、金融や不動産の知識が必要になります。また当事者間同士だけでの話し合いは感情のもつれから無用なトラブルになることもあります。そういう意味でも専門的な知識と経験を持った「プロ」が第三者的に関与するのは有効です。そういう相続専門のプロに誰もが手軽にアクセスできる基盤を整備する必要があります。

では、誰がその任務を担うのでしょうか?

アンケートでは相談する専門家として「弁護士」(11.4%)、
「司法書士」(7.7%)、「税理士」(7.4%)、「銀行」(5.3%)、
「不動産会社」(3.8%)という順番になりました。

確かにそれぞれ相続において重要な役割を担っています。
遺産分割協議や紛争となった時には弁護士や司法書士など法曹関係者が力になってくれます。
金融機関は金融資産の管理を業務としてやっています。
税理士は相続税の納税業務の知識を持っています。

しかし、実は上にあげた専門家は、ほぼ「相続が起きた後」を主たる業務としています。
相続で大事なのは相続後ではなく、相続前の事前準備です。

中でも大事なのは不動産の扱いです。相続財産の7割は不動産です。相続でもめるのは相続税ではなく遺産分割なのです。そしてもっとも分けにくい財産は不動産です。
つまり、相続準備のポイントは「不動産の扱いをどうするかを決めること」なのです。そう考えた時、相続準備で相談すべき人は、「相続に詳しい不動産のプロ」なのです。
不動産を調査したり、評価したりすることができる。納税資金を確保するための売却額試算や様々な有効活用の選択肢の比較ができる。さらに建築や不動産の取引もできる。そんな不動産に精通しているプロに相談しなければなりません。不動産や建築に詳しい税理士さんや弁護士さんならいいですが、なかなかそういう人はいません。

ですから一般のアンケートでは相続の相談相手としてわずか3.8%の人しか認識していませんでしたが、 そこは地元地域の不動産事情に明るく、不動産の評価や取引にも強い地元の不動産の専門家こそが、まずははじめの相談相手としてふさわしい存在なのです。
つまり、「街の不動産屋さん」ですね。

しかし、ここにひとつ問題があります。実は、多くの不動産事業者は相続相談をやらないのです。
相続市場は拡大するし、遺産の7割は不動産なのですから、不動産事業者の活躍できるフィールドが目の前に広がっていると思うのですが・・・。

さて、なぜやらないのでしょうか?
次回はここを掘り下げてみたいと思います。

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